とんがりギャルゲー紀行 第34回:爆走デコトラ伝説~男一匹夢街道~

さて、本日もとんがったギャルゲーをご紹介していきますよ。

今回ご紹介するのは『爆走デコトラ伝説~男一匹夢街道~』

1998年にヒューマンがプレイステーション向けにリリースしたレースゲームです。ヒューマンは本作のリリース後に倒産してしまいましたが、本作は35万本を売り上げるヒットを記録して後にシリーズ化されています。

『シュタインズ・ゲート ゼロ』の企画・原案を務めた志倉千代丸が楽曲製作を担当しているゲームなので、アニメ放映中でバリバリ旬なうちに紹介しようと思って取り上げました。前回に引き続きメジャーなゲームではありますが、紹介記事や画像が他でなかなか見られない作品であれば構わずとんがりギャルゲー紀行で取り上げていきますね。

本作はタイトルの通りデコトラ(ドレスアップしたトラック)を使用して戦うゲームなのですが、トラックのパーツをあれこれ付けて格好良くしていくのは、実はおまけ要素だったりします。装飾を増やすと注目度というステータスは増えますが、トラックの走行能力には影響がないので……。なので、自分のアバターみたいなものだと思って好きにいじっちゃっていいと思います。カスタム代として使う「BP(バトルポイント)」は他に使い道がないので、すっからかんになるまでデコりまくりましょう。たぶん勝負に負けると所有BPが引かれるのだと思いますが、負けたらロードすればいいのでBPを温存しなくても問題はないかと。

始めは無個性なトラックに追加パーツやペイントをほどこしていくと……、

 

こんな風にできちゃいます。電飾も付けているので夜間走行中は光ります。自由にお絵かきする機能もあるので、オリジナル痛車も作れちゃいますよ。

ショップ画面に登場する関口親分は、トラックのペイントなどの事業を手掛ける関口工芸(ドラマ版『GTO』の撮影などに自社でペイントを施したトラックを貸し出した会社)の社長本人です。

バトル開始画面はこんな感じです。和風というかツッパリ風というか、デコトラ文化の偏ったイメージがよく出ています。

バトル画面はこんな感じです。メイン操作はアクセル/ブレーキと車線変更のみと、シンプルで遊びやすいのがいいですね。邪魔な一般車両をクラクションや怒鳴り声でどかすことも可能です(無視されることも多々あります)。怒鳴り声は「どきやがれ!」「なにやってんだタコ!」「殺されたいんか!」「どいてぇ~ん」などさまざまなものが用意されています(女性ボイスもアリ)。バリエーション豊富なボイスの数々は、パーツ交換と同じように「ショップ」にて好きなものに変更できますよ。ホーンも暴走族みたいなのに変えたら、チンピラ完全体のできあがりです。

レースゲームというとマシンの速さと操作テクニックを競うイメージがありますが、本作では主にトラックをガッツンガッツン敵車両にぶつけて邪魔することが求められます。敵車両のほうが早いので、隙をついて抜いたらあとはひたすらトラックの尻で妨害しまくらないと勝てないのです。たまに、こちらが何もしなくても敵車両が一般車両につっかえて「バカヤロウ!」などと怒鳴り声をあげながら後方に消えていくこともありますが、基本的には怒涛の追い上げに苦戦することになります。ライバルをぶっちぎってゴールするという一般的なレースゲームと同じ快感はめったに味わえませんが、相手を邪魔しまくるというのも楽しいものですよ。

ちなみにバトル中のBGMには志倉千代丸が作曲し、北岡ひろしなど本物の演歌歌手が歌った演歌が使用されており、遊びながら様々な楽曲を聴くことができます。筆者は普段あまり演歌を聴かない人間ですが、妙に耳に残る楽曲ばかりで感心させられました。サウンドトラックCDの中古価格が本編の3万倍近くになっているのも納得ですね(ちょっと驚きましたが)。サブタイトルにもなっている「男一匹夢街道」や「夢桜」は特におすすめです。

科学アドベンチャーシリーズに楽曲提供したのと同じ人物による作曲だなんて、言われないとわかりませんね……。

上記で説明したトラックのデコレーションが出来るのは「全国制覇モード」のみ。あとはストーリーモード、タイムアタックモードなどがあります。

ストーリーモードである「男の華道」では、トラックいじりではなくヒロインたちとの3つの恋物語が楽しめる内容になっています。

北海道一のトラック野郎が一目惚れした女性を追いかけて旭川まで突っ走る「北国夢追街道」、暴力団を追跡する婦警に協力した男が復讐のために追われる「燃えよ炎の舞」は最初からプレイできますが、「日本縦断物語」は「全国制覇モード」をクリアしないとプレイできないので注意。

上の画像は「北国夢追街道」のものです。

本作のヒロインはリアル調に描かれているので萌え要素はありませんが、声優を担当している田村ゆかりの淑女風しっとりボイスがグッドです。

こちらは「燃えよ炎の舞」の画像です。『ストリートファイターZERO』の春日野さくら役などで知られる笹本優子がヒロインの婦警役を演じています。本作には『逮捕しちゃうぞ』で小早川美幸役を演じていた平松晶子も出演しているので、平松晶子ボイスの婦警さんも見たかったなあと思ったり。

余談ですが、そういえば婦警さんを攻略できるギャルゲーって少ないですよね。ヒロインがコスプレ衣装として着るシーンはよく見かけるのですが……。

ストーリーモードではトラック以外とも対決します。パトカーの猛追から逃げたり、逃走車を動けなくなるまで攻撃するなんて展開も……。

「日本縦断物語」では、日本一のトラック乗りになった主人公が運送会社の依頼を受けて全国を巡ります。主人公には1年前にプロポーズした婚約者を迎えにいくという目的がありますが、彼女への愛を貫くか、それとも新たに出会うヒロインと結ばれるかはプレイヤーの選択次第です。

他2つのストーリーは一本道でしたが、相手を選べる「日本縦断物語」は最もギャルゲー感があります。

ちなみにゲームボーイカラー版では「日本縦断物語」がメインに据えられており、トラックのチューンナップ機能が追加されてバトルも遊びやすくなっています。ボイスの有無にこだわらないならそちらもおすすめですよ。

プレイステーション版ではランダムだった荷物も選ぶことができます。

さて、それでは今回はこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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